threading.Thread()
はPythonの標準ライブラリの一つで、簡単にバックグラウンドで非同期作業を行うことができるツールです。
別途外部ライブラリをインストールせずに利用でき、簡単な並列処理を実装する際に便利です。
1. いつ使うか
- 作業が長時間かかるが失敗しても致命的でない場合
- ウェブサーバーでユーザーに迅速な応答を返し、残りの後処理を別に行いたい時
- Celery, Redisなどの重いシステムを導入する前に、軽量で非同期処理を行いたい時
2. 使用判断基準
状況 | 推奨の有無 |
---|---|
応答を迅速に返したい時 | ✅ 使用に適している |
作業時間が短いか中程度の場合 | ✅ 使用に適している |
作業失敗時に致命的でない場合 | ✅ 使用に適している |
安定性とモニタリングが重要な場合 | ❌ Celeryなどの使用を推奨 |
データベーストランザクションを慎重に扱う必要がある時 | ⚠️ ORM使用に注意が必要 |
3. 使用例
import threading
import time
def background_task():
print("バックグラウンド作業開始")
time.sleep(3)
print("バックグラウンド作業完了")
# スレッド実行
thread = threading.Thread(target=background_task)
thread.start()
print("メインスレッド終了")
target=関数名
: 実行する関数を指定
args=(arg1, arg2, ...)
で引数を渡すことが可能
.start()
を呼び出すとスレッドが実際に実行される
4. Djangoで使用する際の注意点
- DjangoのORMはスレッドセーフではないため、DBトランザクション処理に注意
- スレッド内で例外が発生しても自動で捕捉されない → 必ず
try/except
を使用すること - リクエストに関連する情報をスレッド内で使用する場合、有効性を確認する必要がある (例: request.user など)
- ログを通じて後処理作業の失敗を検出可能にするように実装を推奨
5. まとめ
利点 | 欠点 |
---|---|
簡便さ (インストール不要) | 自動再試行/モニタリング不可 |
応答速度の向上 | ORMとの衝突の可能性 |
超軽量な非同期処理が可能 | 作業失敗時の管理が難しい |
6. Jesseのコメント
threading.Thread()
はサーバーに大きな負担をかけずに迅速な非同期処理を行うための非常に優れた方法です。
Celeryに移行する前の中間段階として、実際の現場で十分に強力なツールになることができます。
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