今日の好奇心解決テーマは Djangoのrequest.session.get()がパフォーマンス低下を引き起こすのか? です! 🎯
Django開発をしていると request.session.get('key_name')
を何度も呼び出すことが多いですよね? しかし、ふとこんなことを考えました。
"セッションも結局DBに保存されるなら、
request.session.get()
を呼び出すたびにDBクエリが発生するのか?""それともDjangoが何か賢い処理をしていて追加のクエリが発生しないのか?"
この疑問を解決するため、Djangoの SessionMiddlewareソースコードを深く掘り下げ、実験を通じて確認しました。 🚀
1️⃣ Djangoでrequest.sessionはどのように生成されるのか?
Djangoがrequestオブジェクトを作成する際、セッションをいつロードするのかを見てみましょう。
私たちは通常 ビュー関数でこのようにセッションデータを取得します。
session_username = request.session.get('username')
しかし request.session.get('username')
を使用するたびにDjangoが DBクエリを行うのであれば、パフォーマンスに大きな影響を与える可能性がありますよね?
🔍 Django内部を見てみよう!
実際、Djangoは SessionMiddleware
というミドルウェアを通じてリクエストが入るときに セッションデータを事前にロードしています。このプロセスでDBクエリが 一度だけ発生し、その後は requestオブジェクト内にセッションデータを保持します。
Djangoの SessionMiddleware
コードを見ると次のような処理が行われています。
class SessionMiddleware(MiddlewareMixin):
def process_request(self, request):
session_key = request.COOKIES.get(settings.SESSION_COOKIE_NAME)
request.session = self.SessionStore(session_key)
📌 ここで重要なポイント!
- ✅
request.COOKIES
からセッションキー(session_key
)を取得する。 - ✅
self.SessionStore(session_key)
を呼び出して、セッションデータを 一度だけDBから取得しrequest.sessionに保存する。 - ✅ つまり、 ビュー関数で
request.session.get()
を何度呼び出しても追加のDBクエリは発生しない! 🎯
2️⃣ request.session.get()はDBクエリを発生させるのか?
では、核心の質問に戻りましょう。
"ビューで
request.session.get('username')
を呼び出すとDBクエリが発生するのか?"
🚀 結論を言うと、request.session.get()
を呼び出しても追加のDBクエリは発生しません。
理由は簡単です。
✔ Djangoは リクエストが来たときにセッションデータを一度ロードした後、request.session
に保存します。
✔ その後request.session.get()
を呼び出すことは すでにメモリにロードされたデータを取得することなので追加のDB検索は必要ありません。
実際にDBでセッションを検索する瞬間はリクエストの最初だけです。 この時実行されるSQLクエリは次の通りです。
SELECT session_data FROM django_session WHERE session_key = 'xyz123' LIMIT 1;
つまり、✅ ビューでrequest.session.get()
を何度も呼んでもDjangoは追加のDBクエリを実行しない!
✅ DBからデータをロードするのはリクエストが最初に発生した時に一度だけ実行される!
3️⃣ テンプレートでセッションデータを使うときもクエリが発生するのか?
"ビューでセッションデータを取得した後、テンプレートに渡して、テンプレートでそれを使うときも追加のDBクエリが発生するのか?"
例えば、ビューでセッションデータを次のように渡すとしましょう。
def my_view(request):
session_username = request.session.get('username') # DB検索発生? ❌
return render(request, 'my_template.html', {'session_username': session_username})
そしてテンプレートでこのように使います。
<p>Logged in as: {{ session_username }}</p>
この場合にも追加のDBクエリは発生しません!
✔ session_username
は すでにrequest.sessionから取得した値なので、Djangoがこれをテンプレートに渡すときに追加のDB検索は必要ありません。
✔ Djangoは request.session
を メモリキャッシュのように管理するため、テンプレートでも安全に使用できます。
4️⃣ セッションデータを変更するとDBに保存されるのか?
"では request.session['username'] = 'new_value'のようにデータを変更した場合は?"
🚀 この場合、DBに変更が保存されて追加のDBクエリが発生します!
もし次のようにセッションデータを変更したら、
request.session['username'] = 'new_value'
Djangoは応答を送る際に 変更されたセッションデータをDBに保存します。このとき実行されるSQLクエリは次の通りです。
UPDATE django_session SET session_data = 'new_value' WHERE session_key = 'xyz123';
✔ セッションを読み取ることはDBクエリを発生させませんが、セッションを変更するとDjangoがこれを保存するためにDBにクエリを実行します。
5️⃣ セッション保存方式(バックエンド)による違い
Djangoではセッションを保存する方法(バックエンド)を変更することができます。バックエンドによって クエリ発生の有無が異なることに注意が必要です。
セッションバックエンド | 説明 | DBクエリ発生の有無 |
---|---|---|
django.contrib.sessions.backends.db |
基本DBベースのセッション | ✅ リクエスト時に一度発生 |
django.contrib.sessions.backends.cache |
キャッシュベースのセッション(Redis、Memcached) | ❌ DBクエリなし |
django.contrib.sessions.backends.cached_db |
キャッシュ + DBセッション(キャッシュがなければDB検索) | 🚀 キャッシュにない場合に発生 |
django.contrib.sessions.backends.signed_cookies |
クッキーベースのセッション | ❌ DBクエリなし |
🚀 つまり、cache
や signed_cookies
バックエンドを使用すればDBクエリなしでセッションを取得することも可能です。 ✔ パフォーマンスが重要な場合 CACHED_DB_SESSION
を考慮することも良い方法です。
🎯 結論
- ✅ Djangoは リクエストの初期に
SessionMiddleware
を通じてセッションデータを事前にロードしてrequest.session
オブジェクトに保存します。 - ✅ 従って、 ビューで
request.session.get('username')
を呼び出すことは追加のDBクエリを発生させません。 - ✅ テンプレートでセッションデータを使用する際にも追加のDBクエリは発生しません。
- ✅ しかし、 セッションの値を変更するとDjangoが応答を送る際にDBに変更されたデータを保存します。
- ✅ Djangoのセッションバックエンド設定によって クエリ発生の有無が異なるため、キャッシュベース(
cache
またはcached_db
)を使用すればDBの負担を減らすことができます。
🔥 次回予告:request
オブジェクトはいつ消えるのか?
それではrequest
オブジェクトはいつ消えるのでしょうか?
-
リクエストが終わってもメモリを占有し続けるのでしょうか?
-
システムが自動で掃除してくれるのか、それとも私たちが直接整理しなければならないのか?
🚀 次回はDjangoのrequest
オブジェクトの寿命とメモリ管理について探求してみます! お楽しみに! 😃
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